ハンコ(印章)には様々な種類があります。実印・銀行印・認印、他にも会社の印もあれば、ゴム印や消しゴムはんこなどとホント多種多様。
でもどんな形であれ、印章を押す目的は「この書類に書いてあることはすべて認めましたよ」とか「これは私が正しく発行した文書です」などと、押した人の意識を示す役割があります。
「印章を押す」=「責任が発生する」ことになるんですね。
それぞれの違いを正しく理解することで、いざという時に慌てなくて済みますし、また捺印という緊張感のあるシチュエーションでも堂々とした振る舞いができることで、あなたの価値を高めることにもなります。
多種多様な印章の種類の中で、今回は個人向けの印章に絞って、質疑応答の会話形式でご紹介します。
実印とは、役所に実印登録した印章のこと

質問:そもそも実印ってなんなんでしょうか?
回答:一言で言うなら、実印とは「役所に登録したハンコ」のことです。
質問:なるほど〜。
回答:だから「実印買ってきた」ってだけでは、まだ実印ではないですし、「実印ください」っていうのも正確には違います。
正しくは「印鑑登録するための印章をください」ってことになりますね。
質問:な、なんかめんどくさい人ですね、、、汗
回答:安心してください。
店頭ではそんなこと言いませんから♡
実印の役割
質問:実印の定義は分かりました。では実印ってなんのために捺すんですか?
回答:「ここに書いてあることを全て認めました」という意思表示に捺します。
質問:でも捺した印影だけでは、本当に本人の意思かどうかは分かりませんよね?
回答:そうなんです。
だから役所に登録した印鑑証明を添付して、その印影と同じ、つまり戸籍と同じ人が捺しましたって意味になるんです。
質問:ということは、印章がもし既製品だったら怖いですね?
回答:その通りですね。
だから鈴印では手彫りの印しか販売していないんです。
質問:世界に1つだけの、手彫り印を実印として登録して、本人確認をしている。
よくできている仕組みなんですね。
回答:現在色々言われている印章はアナログツールですけど、デジタルとは違って誰でも確実に扱えるツールです。
そして実印を捺してある書類って、日本では一番強い法的拘束力があるそうです。
なので簡単に押したり、気軽に人に預けたりしないで、ご自身でしっかり確認してから捺す必要があるんですね。
実印が必要になるシチュエーション
質問:では実際に、実印ってどんな時に押すんでしょうか?
私自身、これまでもそんなに捺した記憶がないんですけど、、、
回答:大切なことですから、一般的なシチュエーションを以下にまとめますね。
- 自動車の売買や譲渡
- 不動産の売買や賃貸借
- 遺産相続
- 遺言書
- 公正証書の作成
- 金銭その他貸借証書
- 契約書
- 会社設立
- 保険金や補償金の受領
- など・・・
質問:結構あるんですね。
回答:そうですね。
少なくとも人生で一度は確実に捺す場面に遭遇します。
そしてそれは特に大きな金額や信用が動く時に必要になる。
例えば車や家の購入の際に、相手の方から「実印をご用意ください」なんて言われます。
兎にも角にも実印を捺す時って、人生の大きな節目の時なのは間違いありませんから、慎重にご決断なさってください。
銀行印とは、銀行口座に登録する印章のこと

質問:では次に銀行印ですね。
銀行印ってなんですか?
読んで字の如くのような気もしますけど?
回答:だんだんご理解されてきましたね。
その通り、まさに読んで字の如くです。
銀行預金や郵便貯金の口座を開設したり、お金の出し入れをする時には使います。
質問:でも最近はキャッシュカードで出し入れしたり、そもそも銀行印がなくても口座が作れるところも増えてきていますよね?
今でも銀行印は必要なんですか?
回答:いい質問です!
まずキャッシュカードでお金の出し入れをしようとする場合、限度額がありますよね?
だから例えば100万円を超えるような大金を引き出す場合は、銀行印が必要になります。
質問:自分のお金を引き出すだけなのに面倒なんですよね。
回答:確かに面倒です。
でも面倒は安心と引き換えなんですよね。
だってキャッシュカードでは、本人じゃなくても引き出せちゃいますから。
暗証番号盗まれたり、家族が勝手になど考え出したらキリがない。
だから大きなお金が動く際は、基本的には銀行に出向いて本人確認をし、銀行印を捺して、間違いなく本人じゃないと引き出せないようになってるんですね。
使う頻度は低いかもしれませんけど、重要度は昔から変わらないんですね。
質問:分かりました。
じゃあそもそも口座開設の時に銀行印が必要ないことに対しては何て言い返しますか?
回答:ご存知かとは思いますが、印鑑を必要としない新しい形態の銀行の場合、金融庁が税金の支払いとかを認めていないんです。
みなさん税金は必ず納めなければなりませんよね?
その時に使えないとなると、全てが完結しません。
他にも国税の還付だったり公務員の給与の受け取り、年金や雇用保険などの公的機関からの振込にも使えません。
ま、そもそも印章を投げるCMを見てから、ワタクシ一切関わらないようにしていますけど♡
質問:、、、汗
銀行印が今でも必要なことがよく分かりました。
回答:分かっていただければいいんです♡
認印とは、どこにも登録をしていない印章のこと

質問:個人印としてあと必要なのは、認印くらいになりますか?
またズバリ教えてください!認印って何でしょうか?
回答:認印は、全ての印章です。
質問:は?
回答:言い換えますと、それが実印だろうが銀行印だろうが落款印であろうが、
はたまた私が佐藤と使っていても、これが「私の認印」って言えば認印になります。
つまりルールはないってことです。
質問:でも鈴木さんの認印の欄に「佐藤」って捺したら、相手の方は困りますよね?
回答:困ろうが何だろうが、これが「私の認印です」で通ります。多分。
だって「佐藤」って読めるから「違う」って言われちゃうんですよね?
じゃあ誰も読めないような複雑な「佐藤」だったらダメって言いようがないですからね。
質問:あーなんかよく分からなくなってきました、、、汗
回答:でしょ?
だからちゃんとご自身のお名前で、これが実印、これが銀行印、これが認印って、
使い分ける必要があるんです。
それは自分のためでもありますし、相手のためでもあります。
質問:なるほど!
回答:ちなみに認印は、どこにも登録していない印となります。
ただ先ほども申し上げたように、実印を捺しちゃっても構いませんし、銀行印を捺してもいいんです。
でもそうすると、せっかく役所も金融機関も大切な個人情報だからって本人以外には教えない仕組みになっているのに、
自分で晒しちゃっているも同然になります。
だからご自身だけしか分からないように、しっかり区別しておく必要があるんですね。
質問:そういうことだったんですね。
では認印使い道って実際にはどんな感じになるんでしょうか?
回答:具体的には荷物が届いて「ここにサインか印鑑を」だったり、
就職活動の際の履歴書だったり、仕事をしていれば誰が担当したか分かるようになどの、
事務作業の意思確認ですね。
逆に言えば「実印」や「銀行印」などの登録印と照合する必要がある文書、以外に捺すのが認印になります。
質問:登録印と照合する以外ってことは、特別こだわることもなく、なんでもいいように思えますけど?
回答:印章の役割は全て「自分の意思を表す」
要するに「ここに書いてあることは全て認めましたよ」って意思表示です。
もしそれが気がつかずに重要書類だったりしたら、
場合によっては捺すことで実印と同じ効力が発生することもありますから、
私自身は全ての捺印は同列と考えています。
質問:ちなみに鈴木さんは、どんな認印を使っているんですか?
回答:もちろん自分で彫ったものですよ。
だってその方がカッコいいしw
もちろん既製印は一切使っていません。
売ってて言うのもなんですけど、捺した先でどう利用されるか分からないのが捺印ですから、
文字の良し悪しだけでなく、怖いものでもありますからね。
また出先で忘れた時は本当に辛いんで、複数本をそれぞれバッグに入れて「忘れた」を防いでいます。
一応、印章の価値や意味を広める立場でもありますので。
最後に
質問:そういえば最近「ハンコ不要」てお話も聞きますけど、実際にはどうなんでしょう?
やはり今後は不要になっていくんですか?
回答:結論から申し上げますと、印章はなくなりません。
誤解されている方も多いのでまとめますと、
行政手続きの印=減少
司法手続きの印=必要
となっています。
簡単にいうなら、役所に行った時になんの意味があるのか分からない三文判や、
役所から届く文書に、なんのために捺してあるのか分からない押印が減っただけです。
逆に司法手続きの印は、なくせないんですよ。
なぜならネットにあげて流出したり改竄されるとまずいから。
警察の捜査資料がハッキングされたら大問題ですから、それらは一切ネットに上げず、書類で厳重に保管されていて、担当者の証として押印をしています。
個人の実印なども同じ意味合いですね。
それにしても犯罪者と毎日関わっているプロが、安心なのはアナログって考えているのは興味深いですね。
詳しくはまた別の機会にお話しするとして、今後印鑑を捺す回数は減るかもしれませんけど、なくなることはありません。
もともと印鑑って権力の象徴だったんですけど、万人に強制される感じになっちゃった。
それがまた元に戻る流れになるのかな?なんて個人的には思っています。
質問:今回は個人印に関して詳しく教えていただきありがとうございました。
何か補足することなどはありますか?
回答:長く印章に携わってきて一番気になるのは、
なんのためにハンコを捺すのか分からずに、言われるがままに捺している人が増えてきていることですかね。
これまでで述べてきたように、ハンコを捺すことって、自分の意思を担保として相手に預ける行為。
つまり「ここに書いてあることは全て認めました」の印です。
質問:はい。よくわかりました。
回答:契約は私たちハンコを捺す側に決定権があるんです。
決めるも断るもこちらの捺印次第。
だから私は印章って武器だと思っています。
何百万円も何千万円もする取引を、進めるも止めるも印章ですから。
質問:強いですね。
回答:言われるがままに捺すだけですと、ただの面倒な作業になりがちですけど、
「ここに捺印を」って言われた時に相手は固唾を吞んで待っていると思えば、
主導権を握っている感をダイレクトに感じられるのではないでしょうか?
それに詐欺でも捺印を利用した手口は、今でも結構多いんです。
ですから自分を守る意味でも役割をしっかり区別して、捺すときは慎重に。
そして迷った時は捺さない。
迷った際は相手に流されず、ご家族に相談を。
それだけでほとんどの捺印の被害から免れることもできますからね。
質問:最後に一言。
回答:印章は大きな決断の時に必要になるものです。
特に実印は捺す回数は少ないかもしれないですけど、重要度は人生の中でも最高峰。
だからこそ冒頭でも述べました通り、知っているだけでその時に余裕を持った振る舞いができ、
あなたの価値も高まりますので、ぜひしっかりと理解した上で捺印の席に臨んでください。
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